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2006年2月11日 (土)

北山の茶室住宅の話2-決めた理由-

Fh000006_20 茶室住宅を見せてもらった後,「面白いけど住むのは難しい」と彼と言い合いながら帰った.
難しいと思った点は主に2つ.まずは収納が少ない点.押入れが1箇所(しかも半間分)だけしかなかったのだ.しかし,意外とこれはそれほど問題ではなかった.押入れだと思っていたところは,実は水屋と外をつなぐ玄関だったが,私たちはここに棚を入れ,夜具入れ(布団が入る箪笥)を義父母にもらい,何とか布団を入れることができる押入れにした.あとは,庭に大型のコンテナを買ったり,庭にある御堂も大家さんが使っていいと言ってくれたり,大家さんがなぜか裏に物置を作ってくれたりしたため,住んだ後は収納場所には困らなかった.しかしいずれの場所も部屋と直接繋がっていないため,一旦外に出ないと物を取りにいくことができないという不便はあった.
次に困難に思えた点は,部屋と外の境界が障子しかない点.春,夏,秋はまだしも,冬は無事にすごせるのだろうか. 特に茶室住宅は京都の北山にあり,山のふもとに立っていたため,冬は厳しそうだ.また,母屋から台所に行く際には,一旦外に出ないといけなかった.寒いというのもあるし,かなり不便である.これについて,彼はそれほど最初から問題に思っていなかったようだ. 私は本当にここに住めるかどうか悩んでいたのだが,当時たまたま読んでいた安藤忠雄の本に「住吉の長屋は住みにくい家だが,それを超える美しさがある」というような文章を見つけて,少しふっきれた.私達は便利に過ごすために生きるのではなく,楽しく過ごすために生きている.幸い私達はまだ若いし,柔軟性もあり,不便であっても不便さを楽しむ余裕があるのではないか.
そうして,前回の見学から2週間ほど後に,もう一度私達は茶室住宅を見に行った.今度は見学ではなく本当に住むつもりで,メジャーや図面を持って行き,あちこちを測った.そして,私達は茶室住宅に住む契約をした.

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