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2006年3月

2006年3月11日 (土)

北山の茶室住宅の話3-大屋さんの話-

97480020 この茶室住宅のことを話す上で,大屋さんの話は欠かせない.
大屋さんは大変変わった人だった.風貌はまるで仙人で,ゆっくりしたペースで,自分が喋りたいことだけを喋る.家の契約は大家さん宅で行ったのだが,契約書の受け渡しと保証金の支払いだけだったのに,なぜか3時間ほどかかった.大屋さんは茶室住宅と銅閣の由来をゆっくりと喋り,保証金(現金で持っていたのだ)をゆっくりと数え,契約書を毛筆でゆっくりと書いてくれた.
大家さんが語った茶室住宅と銅閣の由来は次の通り.40年ほど前,大屋さんの家の近くに,大きな会社の会長宅があった.会長が亡くなり,家を解体することになった.たまたまそこを大屋さんの奥様が通りかかり,素敵な茶室を見つける.いらないものなので持っていってもかまわないと解体業者にきき,茶室ごとすっかりもらって今の場所に移築したそうだ.移築して住宅として改造してからは,北欧(デンマークだったか?)出身の大学の先生が30年ほど住み,その後牧師さんが1年ほど住んでいたそうだ.
銅閣の由来はかなり眉唾ものだ.大家さんが言うには,豊臣秀吉が建てた建物で,滋賀から移築したとのこと.大屋さんの弟さん夫婦がしばらく住んでいたこともあるらしい.数年前に能の会を行ったりもした,と言っていた.後でいろいろ調べたのだが,豊臣秀吉が「銅閣」というものを建てたという話はない.建築史的には,銅閣というと伊東忠太の設計した祇園閣を銅閣と呼ぶらしい.それでも大屋さんの銅閣は立派な三層構造の書院造で,おいそれと簡単に作れるものではない.

入居してからも大屋さんとのやり取りは続いた.それまで住んでいたところにおいて大屋さんというのは,毎月お金を払いこむだけで,入居する際と退居する際以外はほとんど関係がない存在だった.それが,この茶室住宅では,1,2ヶ月に1回ずつぐらいは何かが起こって,大屋さんと連絡をとらざるをえない状況に陥る.例えば入居したとたん雨漏りがあったり,庭にある御堂に蜂の巣ができて普通の業者さんでは取れなかったり,屋根にソーラーパネルがいつの間にかついていて業者が訪ねてきたり,台所に羽蟻が大量発生したり,などなど.大屋さんに電話をかけると,いつもどおりのゆっくりとした口調で応対してくれ,そして実際の対応もかなりゆっくりなのだ,気がつくといつの間にか対応してくれている時もあるが,いつまでたっても対応しくれない時も多い.駆除業者さんにもとれない蜂の巣があって,電話したときは「ああ,あの蜂はよい蜂蜜がとれるんですよ.」と言われ,ミツバチを襲いにスズメバチが来ると説明しても,こちらの困っている状況がなかなか伝わらず,大変難儀した(結局,蜂の巣は対応してくれなかったような気がする).

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2006年3月 1日 (水)

仕事相手

1日締め切りの論文を投稿した.

今回は仕事場の主任研究員にかなりきっちり見てもらいながら作成したので,そこそこ良い出来ではないかと思う(代わりに10枚に及ぶ論文になったので,もし通ったら50,000円の投稿料が必要になる).再査読にひっかかればいいなぁ.

主任研究員は去年の9月に来たばかりだが,一緒に仕事がやりやすい.いろんな人から信頼をおかれているのがよくわかる.語り口は穏やかで,内容は的確で,建設的.否定的な発言をほとんどしない.ああいう人間に私もなりたい.

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