« 2006年6月 | トップページ | 2006年9月 »

2006年8月

2006年8月31日 (木)

人生の修正

20060212002  おそらく私は昔からひねた子どもだった.喜び,悲しみ,感動といった感情をはっきりと前に出すのが苦手だった.その一方で,子どもらしい屈託のなさは憧れだった.また,一人暮らしをしていた学生時代,コンサルタント時代と続いた怠惰で自堕落な生活のせいで,私の生活リズムは狂っていた.徹夜や深酒などで生活パターンがなかなか定まらず,結果的に不健康で効率の悪い生活を送っていた.
 「子育てをすることで自分も人間的に成長する」という人がいるが,私にはそんな言葉はおこがましくて言えない.そういうことを言う人は,愛情を十分に受けて,きちんとした生活習慣を身につけた人なんだろうな,と勝手に推測してしまう.社会人として何かが欠けている私が言えることは,「少なくとも私は子育てをしながら,人生を修正しているような気がする」ということぐらいか.日々,欲望をそのまま表現する幼児と共に過ごすことで,私自身も感情の表現の仕方,感情の抑え方を学んでいる.幼児に一般の生活習慣を身につけさせるために,私自身も一般の生活時間で1日を過ごさなければならない.私は今子育てをすることで,私自身の人生を修正しているような気がする.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月29日 (火)

呉を歩く

学会で広島県呉に行った.2日目の朝,学会開始まで時間があったので,海岸沿いの道をひたすら歩く.前の晩に焼酎と泡盛を飲んだせいか,汗ばむと体の中から酒の匂いが漂ってくる.その匂いに「中年」を感じてしまう.
自衛隊関連の施設を過ぎると,鉄鋼関係の工場が見えてくる.呉は港と山に囲まれた小さな街で,平らなところを自衛隊と工場に明け渡し,代わりに住宅は丘の上に追いやられている.坂のある風景は変化に富んでおり美しいものであるが,生活者に上下運動の負担を強いる. 高齢化とともにこれから少しずつ問題になってくるだろう.前日の帰り際に建築系のKさんが「呉はコンパクトシティにならざるをえない.郊外化しようにも山がすぐ傍まで迫ってきている.だから中心地に人がいる」といっていたのが目から鱗だった.私の地元福井は,平野が広がっており,どんどん郊外化している.坂のある街と郊外化がまちづくりに果たした功罪,いずれが良いのかは時代が決めるだろう.
歩きすぎてそろそろ折り返さないと学会に間に合わない時間になってしまったので,市営バスに乗ることにする.学会に参加していたため忘れていたが,平日,しかも月曜日の朝であったため,バスには乗客がたくさん乗っていた.時折,乗客の喋る「~じゃけ」という広島弁が聞こえてくる.こういう日常生活の中に旅人である私が息をひそめてもぐりこんでいることが少し面白く感じる.これから初めての土地に行った場合は,とりあえずバスに乗ってみてもよいかもしれない.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月26日 (土)

教師という仕事

Kさんの紹介で,O大学の非常勤講師の仕事をもらう.夏休みの集中講義,しかも3コマずつ5日間という教師にとっても学生にとってもハードなスケジュールであったが,なかなか充実した1週間だった.私は今まで教師という仕事にほとんど興味がなかった.だが,なかなか良い仕事であることがわかった.
最初の頃,私は学生を怖がっていた.「知識が足りない」,「内容が低レベル」,「つまらない」等といった言葉で糾弾されたら,あるいは誰も話を聞いてくれなかったら,そういう想像をして憂鬱な気持ちに陥っていた.しかし,学生というのはなかなか素直な存在であることがわかった.きちんと作りこんだ回は学生の反応もよく,みな熱心に聴いてくれた.逆に時間がなくて十分に練れていない回は大変反応が悪く,熟睡する学生も多くて大変申し訳ない気持ちになった.最後のグループワークの発表に対するコメントを言う際には,褒めることを心がけた.すると学生は私のほめ言葉に素直に喜び,かわいらしい笑顔を浮かべた.これらのことは書くと大して新味のない当然の知見だが,私は学生があまりにもわかりやすい反応を示すのに本当に驚いた.
また,授業を実施するためには,知識を整理して,話を整理しなければいけない.この過程は十分な時間があれば楽しい作業だ.学生に教えなければいけないという目的がはっきりしているので,やりがいもある.また,この過程で得た知識は,今後の研究や仕事で活かすことができる.
できれば,さらに授業内容をバージョンアップして,来年,再来年と続けたい仕事である.ただ少し気をつけないといけないのは,説教くさくなりすぎないようにすることである.教員というのは,学生の成績をつけることが出来るという点で,学生に対して権力を持っている.それを利用して優越的な態度をとったり,説教くさくならないように,気をつけたい.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年6月 | トップページ | 2006年9月 »