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2007年6月17日 (日)

映画寸評

学会でカナダに行くのに飛行機に10時間以上乗っていたので、映画がたくさん見れた。
長時間飛行機に乗るのは5年ぶり。昔はファーストクラスにしか付いていなかった設備がエコノミークラスにも付いているので、個人個人が好きな映画を選んでみることができる。
映画を一人でゆっくりと見れること自体が久しぶりだったので、うれしくなって4本も見てしまった。

「ラブソングができるまで」
ヒュー・グラントとドリュー・バリモア主演のバリバリのラブコメ。
ベタベタで期待を裏切らない展開なので、お気楽にのんびり見ることができる。
映画の中で、ヒューグラントは、80年代に売れに売れたというバンド「POP」のメンバーだったという設定だったのだが、これがすごくよくできていた。
楽曲は、シンセ使いまくりでベースとドラムがすかす。私が中学生の頃は、こんな楽曲ばかりだった。
ビデオクリップもよくできていて、腰を振ったり縦ジャンプしちゃう恥ずかしいダンスにはめちゃめちゃ笑った。
1つだけ違和感があるとすれば、ドリューが「いい女」役であること。
私はドリューのことが大好きなんだけど、いわゆる典型的な「いい女」ではないと思う。
彼女の良さは身近にいそうな普通の子が、よく見るとかわいいというところだと思うんだけど。
評価:★★★★

「どろろ」
よくできていない、よくできていないとは聞いていたが、本当によくなかった。
どろろ役の柴咲コウは大人の事情があるんだろうけど、本当にミスキャスト。
原作を読んだとき、私は途中までどろろは男の子だと疑うことがなかったのに、柴咲は、どう見ても女の子にしか見えない。
英語の字幕も「SHE」「HER」「BITCH」と最初から女の子扱い。「女にならないぞ」とか叫ばれても、いや、あなた女の子にしか見えないし。
それよりもさらにうんざりしたのが、魔物をやっつける場面。チャチなCGをきりつけるだけ。子ども向けの戦隊もののレベル。
原作の「どろろ」って、1つ1つの魔物が人間世界をいかに巣食っているかという個々の物語も面白くて、それを包括するように全体の物語があって面白かったと思う。
だから映画化するとしたらロードムービーになるしかない、と思うんだけどな。
個々の話を切りすぎて話に深みがなくなり、物語の核がどこにあるかわからなくなってしまった感じ。
評価:★

「ビッグリバー」
「どろろ」でロードムービーの期待を裏切られたので、この映画の素直なロードムービーぶりにとっても満足。
国籍も事情も異なる3人がアメリカを旅する。一人ひとりのキャラクターがちゃんと立っていて、みんな愛すべき人達。
全編英語で主役の3人のうち2人が英語を母語としないせいか、シンプルな会話で物語が進む。
本当にこの映画の人達は喋らない。喧嘩をして許す時も、お別れする時も多くの言葉を費やさない。一言か二言。あとは表情と態度でわかりあう、というシンプルな人間関係がいい。
主演のオダギリジョーって、昔の浅野忠信をもっと軽くした感じ。好きなタイプの俳優さん。
全然知らない監督で全然期待しないで見たのだけど、本当に面白かった。
(でも、子どもの頃ってロードムービーって退屈で嫌いだったな。ストーリーがあんまりないように思えたから。大人になると好みが変わる)
評価:★★★★★

「バブルへGO」
ホイチョイ・プロダクションズプレゼンツ。もうこれだけで懐かしい雰囲気が漂う。
「ラブソングができるまで」と同じく、80年代に青春を送っていた人は懐かしいあの頃が思い出せていいかも。
私自身はバブルの頃はまだ中学生だったので、バブルについてはあんまり知らないんだけど、80年代のファッションとか風俗とかはやっぱり懐かしくて、何だかうれしい。
やばい腰ふりダンスとか、女の子の独特の化粧(濃い眉毛と赤い口紅ってありえない)と服装(ピッチピチのボディコンと濃い色のストッキング)とかが、恥ずかしいけどよくできている。(吹石一恵は、古風な顔立ちなせいか、バブル期のファッションがよく似合っていてかわいかった。)
でも、ただそれだけなんだよな。
この映画からは「バブル大好き」という主張しか聞こえてこない。バブルに対する違和感とかは全然ない。
たぶん、ホイチョイの人達は、バブルが大好きだったんだろな。あの軽薄で、誰しもが誰しもが金持ちになれて、金で何もかも解決できると信じていた時代を。
私は、そんな時代はやっぱり虚像にすぎなかったと思うし、この映画の反省の無さ加減には違和感がある。
評価:★★

そんなこんなで文句を言いながら4本も見てしまった。帰りの飛行機で見るものがあるかどうか心配。

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