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2007年6月19日 (火)

旅の日記その2(モントリオールの印象)

20070620298 モントリオールって、たぶんすごく普通の町だ。特に観光地でもないし、街並みがめちゃめちゃきれいでもないし。
でも、ここ3日ほど過ごして、居心地が良くて、すごくよい町だと思った。

モントリオールで一番感心したのは、多くの人が通りを眺めて楽しんでいること。バルコニーやアパートの前といったところから、多くの人が特に何をするでもなく、道路を眺めている。日本ではバルコニーというのは洗濯物を干す場所で、いすを置くスペースはほとんどないし、そこにいたがる人もあんまりいない。オープンカフェもたくさんあって、楽しそうな雰囲気が歩行者にも伝わってくる。
わたくしがこのことにひどく感心したのは、飛行機の中でたまた読んでいたジェイン・ジェイコブスの「アメリカ大都市の死と生」の影響である。
ジェインはいう。「都市地域がうまくいくための基本的な条件は、一人の人間が自分の知らない人々の間にいても、必ず自分は安全で心配ない状態にいるのだと安心していられるようでなければならないということである。」
「私たちの町には、町の秩序を作りあげているありがたい住民たちが大勢住んでおり、皆の目が常に注がれているために、比較的容易に町の平和が保たれているのである。」
よそ者の最たる者で英語もろくに喋れない私という旅行者が、暢気に楽しく散歩できるのはこういうこういうことだと思う。

20070619285 二番目に感心したのは、自転車道。
モントリオールは、総延長300kmの自転車道がはりめぐらされている。
日本とは比較にならないぐらいたくさんの人が自転車通勤をしているような気がする。大概の人がロードタイプの自転車で、ぴったりとしたサイクルジャージに身をつつみ、ヘルメットをかぶってすごい速さで走っていく。
日本では、おばさんがスカートをはためかさせながらママチャリに乗っているのをよくみかけるが、そういう人はまずいない。
2時間だけレンタサイクルを借りてみたが、自転車道があると安心してスピードを出せて楽しい。自動車との交差部はほとんどないのだが、交差する場合は、ほとんどの車が自転車に道をゆずってくれる。
ここの自転車道には自転車マークと一緒にローラーブレードのマークが描いてあるのだが、ローラーブレードに乗っている人もとても多い。ベビーカーを押しながらローラーブレードに乗っている人もたくさん見て笑った(以前私たちが買ったエアバギーの説明書に、ローラーブレードに乗りながら押すな、という注意書きがあり、そんな人いるわけないだろうと思ったら、モントリオールにはたくさんいたのだ)。あと、チャイルドカードの使用率がとても高い。補助いすよりも多くみかけた。確かに自転車道があれば、チャイルドカートはとても利用しやすい。

感心したことの三番目は、電線がないこと。
日本では大通りの電線は地中化されているが、裏通りには空を蜘蛛の巣のように電線がはりめぐらされている。電線っていうのは、景観上も問題だけど、電柱が歩道幅員を狭めたりして、バリアフリー上もよろしくない。裏通りで空がすっきり見えること、裏通りの歩道もある程度の幅員があるので歩きやすいこと、こういう当たり前のことかちゃんとできているのはすごくいい。

ガイドブックによると、モントリオールは人口300万人の大都市であるとのこと。大阪よりも人口が多いのに、大阪よりもゆっくりとした空気が流れている。たぶん二度と来ることはないと思うけど、私はこの町が好きだと思う。

Reference
J・ジェイコブス著(黒川紀章訳):「アメリカ大都市の死と生」、鹿島出版会、1977年

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