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2007年9月18日 (火)

初めてのUSJ

 大人になるということは、初めて体験することがどんどん減っていくことである。初めて食べるもの、初めて聞くもの、初めて触るもの、初めて嗅ぐもの、初めて体験するもの、年を重ねるとそういったものがどんどん少なくなる。それどころか、初めての経験であっても、昔経験した何かのバリエーションのように感じたりして、新鮮さを感じられなくなる(代わりに、昔の思い出がどんどん増えて、ひとつの体験に多くの意味を見いだしたりできたりするけど)。

 だが、「子どもを育てる」ということは、この「初めての経験」というものを追体験できる。もちろん、私が子どもを育てるということ自体が初めてなので、初めての経験ばかりで日々驚いたり、惑わされたりしているわけだが、それだけでなく、子どもが初めて体験する様子を見ることができる。子どもというのは気持ちをダイレクトに外に伝える存在であるので、初めての体験をしている最中、子どもが感じている気持ちが親である私に伝わってきて、とても楽しい。初めての経験に対して、わくわくしている気持ち、不安に感じている気持ち、楽しさを噛み締めている気持ちなどを、子どもを通して追体験できるのだ。

 そんなわけで、「娘の初めての遊園地」を楽しむために、夏の終わりに娘と一緒にUSJに出かけた。テーマパークというものは「『夢を売る』という名目のもと、消費者からお金をどんどん奪っていく場所」というイメージがある。だから、そんな場所に小さい子どもをわざわざ連れていく必要性は薄い、とひねた考えをしていた(今もその考え方は変わらないけど)。だが、一週間の出稼ぎ週間と酷暑で心と体が疲れてしまったので、わかりやすい場所に出かけて、初めての経験をする娘の喜ぶ姿を見て心の疲れをとることにしたのだ。

 USJにはJRに乗っていった。駅を降りた瞬間からテーマパークのような街並みが続いている。童心に戻って、うきうきしながらUSJの門をくぐると立派な吊張橋が見える。「USJってこんなリアルな橋まで作って、すごい」と思いながら周囲を見渡すと、テレビ局のビルを始め、テーマパークと関係ない一般の建物が普通に見える。よく考えれば、USJから見える斜張橋もそうした普通の風景の一つで、ただ単にUSJが隠しきれていないだけであった(これを誤解した理由として、ディズニーランドは近くに走っている高速道路が園内から見えないように見事にフェイクしている、という話を聞いたからだった)。

 娘は、電車に乗っている間は「USJに行く!」とはしゃいでいた。しかし、初めて見るテーマパーク風の建物に少し圧倒されたのか、USJに着く頃には言葉が少なくなってしまった。気をとりなおして、サマーパレードを見たのだが、それも何がおこっているのかうまく理解できていないようだった。ただ、娘の大好きなキティちゃんが見れて、満足したようだった。その後も、娘のめてのUSJに対する緊張は続いていて、オズの魔法使いの人形達と記念撮影するときも、顔はこわばったままだった。

20070826477_s  娘が少しリラックスしてきたのは、メリーゴーラウンドに乗った後である。メリーゴーラウンドが動き出してしばらくは、かなり緊張した面持ちをしていたのだが、3分ほど回っている間に慣れてきた。娘はメリーゴーラウンドに乗れたことで自信をつけたようで、急に大胆になり、スヌーピーのコースターに乗りたいと言い出した。娘は3歳にしては大きいので、コースターにも乗れる身長だったが、スヌーピーのコースターは1回転もするし、かなり早いスピードで走る。待っている間に気が変わるかと思ったが、娘はコースターの回転も楽しそうに見ている。大泣きするだろうとは思い、「本当に乗るの?」と何度も確認したが、「乗りたい!乗りたい!」と娘の意思は固い。しょうがないので本人の意思を尊重してコースターに乗ったところ、娘は恐怖のあまり悲鳴も出ず、ずっと固まっていた。あまりにも怖かったのか、その後、乗り物に乗ってくれず、すべりだいやスヌーピーの人形としばらく遊んでいた。娘はそれで満足そうだったが、私はせっかく来たのだからもう一つぐらい乗り物を乗らないのともったいないと感じて、セサミストリートの3D映画を見ることにした。娘が疲れ果てて寝ている時間を利用してセサミストリートの長い列に並び、何とか映画を見ることができたのだが、娘は飛び出す画面や動くいすに驚いたのか、終始、私の手をぎゅっと握りしめていた。

 そんなこんなで、娘にとっての初めてのUSJは、緊張や恐怖、驚きの連続だった。だが、楽しんでいなかったのかというとそういうわけでもなく、とても楽しい思い出になったようである。今でも不意に「メリーゴーラウンドに乗ったねー。パンダの乗り物だったよ」「ジェットコースター怖かった」などと話し始めるし、お店や雑誌の広告等でセサミストリートのエルモを見かけると「USJで見た! USJで見た!」と大興奮で報告してくれる。私はというと、「USJに行った」という大人にとっては取るに足らない出来事が、娘にとっては強烈な夏の思い出として刻まれた様子をみることができて、大満足だったりする。

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