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2008年10月26日 (日)

恋してるとか好きだとか

 最近、デザイナーの川崎和男さんのことが好きだ。もう少し正確に言うと、相手のことをよく知らないのに、勝手に一方的に見つめている感じ(恋みたいな感じです)。

 オットはMacPowerの読者であったため、以前から「川崎和男さんというデザイナーは面白い」という旨の話を私にしていたのだが、それほど興味をもって話を聞いていなかった。だが、彼が大学でやっている授業にもぐりで行って以来、彼のことが好きになった(百聞は一見に如かずだね。オット、ごめん)。授業を聞きに行った理由は、単に有名人の授業を聞いてみたいというだけだったのだが、彼の考え方、生き方にすごく感銘を受けたのだ。

 川崎氏に強く惹かれる理由は主に三つある。

 一つ目は、彼が強い意志を持っていること。
 彼はデザインの力を信じている。デザインは未来を変えるというし、デザインにしか未来を変えれないという。こんなに強く自分がしていることや自分が作り出したことに自信を持っている。こんなに明確な意志を持っている人って、いるようでいない。

 二つ目は、自分の言葉を持っているということ。
 たとえば、川崎氏は大学で学ぶことは2つしかないという。「創る」ことと「探る」ことである。こんなに明快に大学の本質を言葉で聞いたのは初めてかもしれない。一般に、大学の先生方は、大学で何を学ぶべきかということをおっしゃられない。なぜなら彼らは「そんなことは各自で考えることだ」と思っているからである。だが、明快な言葉は力強く、浅学の者たちを導く道しるべになる。
 また、彼は自分のデザインに対して、かなり能弁だ。編集家の松岡正剛氏が「言葉を重視するデザイナー」と書くぐらい、川崎氏は能弁である。なぜこのようなデザインにしたのかという背景や考え方を事細かに話す。その考え方はデザイナーだけでなく、有形・無形のさまざまなものづくりに関わる人々にも生かすことができる。

 三つ目は、"Think globally, Act locally"を実践しているところ。
 川崎氏は自らの出身地の北陸の地元企業との共同開発を多数行っている。例えば福井市の増永眼鏡や武生市のタケフナイフビレッジ、EIZOで有名な白山市のナナオなどである。世界に通用するものを小さな地方都市から発信し続けるということは、スローガンとしてはよく言われることだが、なかなか実現できることではない。川崎氏が福井市の出身であることを誇りに思うし、地元の産業を盛りたてていることに対して感謝の念を抱いている。
 彼の言葉は訛っている。福井訛りだ。私は彼は訛りが抜けきれないのだと勘違いしていた。でも、そうじゃない。地元の企業や職人とコミュニケーションをとるために、あえてそうしているようだ。武生の刃物職人とのエピソードを読んで、なんて美しい話なんだろうと感動した。

 多分、私のこの恋は、しばらく続く。今度、実家に帰った際には、増永眼鏡でKazuo Kawasaki Ph.Dの眼鏡を買い、タケフナイフビレッジを訪れてみたい。それに、川崎氏がデザインについて書いている本も集めようと思う(読みたい本は増え続けるばかりだ。最近積読になりがち)。

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