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2009年4月20日 (月)

保育所が永久に足りないということは、ないんじゃない?

 保育所が永久に足りないであろう理由を読んで、ちょっと違うかも?と思ったので、メモ。

 保育所が「供給が需要を生む」サービスであることは確かなんだけど、みんながみんな、喜んで自分の子どもを保育所に預けたいかというとそうでもない。

 私の場合は、子どもを産んだ時は非常勤職員で産休しかとることができなかったので、泣く泣く出産後2ヶ月で職場に復帰した。子どもとの時間を十分に味わうことができなかったので、せめて母乳だけ2歳頃まで続けたいと思い、母乳が止まらないように(乳腺炎も怖かったし)、職場でも母乳を絞っていた。搾乳は思い出すだけでも悲しくなる。あのとき、育休がとれれば、あるいは、無休でも職場に復帰できる確約がとれれば、私は安心して育児に専念していただろうと思う。

 保育所のママ達をみていると、育児休暇がとれる場合でも、多くの人が4月に復帰する計画をたてる。子どもの誕生日が4月であっても、12月であっても。多くの母親は早く働きたいからではなくて、ただ単に、途中から保育所に入所するのが困難なので、泣く泣く4月に復帰するのだ。保育所の4月はいつも悲しい。母親と離ればなれになる子ども達の泣き声と、泣いている子どもに後ろ髪を引かれながら悲しい顔で職場に急ぐ母親達でいっぱいになる(父親もいるけれど、まだまだ若干名だ)。

 低年齢児を保育所に預けると、1人あたり20万円程度の経費がかかるときく。その経費のうち、親が負担する金額はごく一部だ(それでも、家計にかなり負荷がかかる額なんだけど)。育児休暇を3年ぐらいにのばせば、低年齢児を保育所に預ける人はかなり減るだろうし、もっと保育行政にかかる費用はもっと小さくできるような気がする(無休であっても育休をとりたいという人は多いんじゃないか)。

 それに、4歳児になったら、保育所ではなくて幼稚園に通わせたい人も多い(幼稚園は教育に重点が置かれているから)。子どもが小さいうちは、時短勤務を選べるよう制度をつくれば、もっと幼稚園に通わす人が増えるような気がする。

 育休の延長(非常勤職員への育休の拡大)、低年齢児の親の時短勤務といった施策を同時に行えば、きっと保育所が飽和量に達する時がくるような気がする。

 で、3歳までの育児休暇も、時短勤務も、非現実的な話ではなくて、フランスでは既に実現している施策だったりする(参考:フランスの少子化対策)。それに、フランスでは父親が必ず育児休暇をとらないといけない。よその国の施策をそのまま持ってくるのは難しいとは思うが、日本風にアレンジするのはそれほど不可能というわけではないだろう。

 子どもと母親だけ(あるいは父親だけ)の育児もかなりきついけれど(それは保育所と別問題)、乳児との時間を楽しめない親も少ないと思う。もう少しの工夫で、どうにかこうにかみんなの満足できる保育のシステムが作れるような気がする。

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 ついでに、保育所の現状について。

 保育行政に結構なお金はかかっているはずなのに、保育所は貧しい雰囲気が漂う。私が具体的に知っているのは、うちの娘が通っている保育所だけだが、勝間さんも同じようなことを言っていた。

 うちの娘が通っている保育所はびっくりするぐらいボロボロだ。入り口の門がさびついている。ドアの立て付けは悪い。トイレは暗くて、換気が悪いので、臭いがこもっている。備品は十分に無い様子で、保護者は、毎年ティッシュペーパーや雑巾、ビニル袋を寄付しなければならない。

 先生方の雇用状況もよくない。私が住んでいる市では、保育所の民営化を進めているため、公立保育所の先生はみんな年配の方ばかりだ。若い先生は非常勤職員で、10ヶ月以上連続して働くことができない。正規職員の先生も非常勤職員の先生も、傍目から見ると同じような仕事をしているにも関わらず。新しく正規職員を雇わないので、男手を必要とする職場なのに、なかなか男の先生が入ってこない。

 保育所は、子どもを持っていない人の税金も使っているのだが、決して贅沢をしているわけではない。ピカピカした施設がいいわけでもないけれど、せめて先生方の雇用状況を改善してほしいと思う。

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