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2009年7月

2009年7月26日 (日)

オレンジピールブレッド

 先日、ある集まりに、オレンジピールを入れたブレッドを作って持っていたら、思った以上に好評だった。でも、「ぴかさんって、こういうこともできるんだ」、「ごめんなさい。こんなことをいうと失礼かもしれないけれど、勉強しかしないのかと思っていた」と、褒められているんだか何だかよくわからない言葉をいただいた。私ってそういう目で見られていたんですか、そうですか。面倒くさがりだから家事はあんまり好きじゃないけれど、時々心に悪魔が入ると、根をつめて家事をする時があるんだけどな。それに、勉強もそんなにしていないけどなぁ。昔、研究室の同級生にも「料理しなさそう」と言われたことがあるのだけれど、何でしょうね。私の言動がそういう感じなんだろうか?(追記:大学でM准教授からは「逆に、勉強しないでパンばっかり焼いている感じがする」と言われた。人からの印象なんてそんなもんだ。)

 それはともかく、おいしく食べていただけたようで、満足。冷蔵庫で眠っているオレンジピールをかなり消費できたことも満足。

 オレンジピールは、冬の間に食べる伊予かんやら八朔やらの皮を甘く煮詰めたもの。この作り方を覚えてから、私は柑橘系の皮を捨てれなくなった。おかげで、冬の頃は冷凍庫にジップロックに入れられた柑橘系の皮が大量に眠っている。そして、春のある日、不意に思い立って、大量のみかんの皮を煮詰める。オレンジピールを作る日の我が家は、しばらく柑橘系のものを見るのが嫌になるほど、すっぱい香りが家じゅうにこもる。

 今日持っていったブレッドは、バターを使わずにサラダ油で作るので、家計にもやさしく、作るのも簡単。ただし、サラダ油はバターに比べると風味は落ちるけれど、代わりにオレンジピールの甘くてほろ苦い風味をより味わえる気がする。このブレッド、私の好物の一つでもあるのだが、わりかし簡単に作れるので、あちこちに持っていっている。本格的なお菓子だと、分量とか手順とかがかなり大事だったりするのだけれど、ブレッドは結構適当でいい。何しろ、混ぜて焼くだけ。作業している時間は20分弱。あとはオーブンさんに30分任せればできあがる。

【オレンジピールの作り方】

  • 大きめの柑橘類の皮を残しておく。白いワタの部分が厚すぎると苦くなるので、適当に取り除く。
  • 皮をよく洗ったあと、やわらかくなるまで茹でる。
  • 茹でた皮の分量を量り、その半分ぐらいの量の砂糖を入れて煮詰める。焦げないように弱火で、水分がなくなるまで煮詰める。
  • 煮沸した瓶に入れて保存。冷蔵庫で保存すれば1年ぐらい持つ。

【オレンジピールブレッドの作り方】

  • まずは準備
    • 材料をそろえる。薄力粉200g、ベーキングパウダー小さじ2、卵3個、砂糖50~60g、サラダ油 大さじ3、オレンジピール 好きなだけ(ご飯茶わん1杯以上)
    • 薄力粉とベーキングパウダーを合わせて、ふるう。(ふるうのは1回で充分)
    • オレンジピールはできるだけ細かく刻む。(細かく刻まないと、オレンジピールが底の方にたまって、生焼けになりやすい。私は、最近までこのことに気づいていなかった)
    • オーブンを180度に温める。
    • 型(うちは半径18cmの丸型)にオーブンシートを引く
  • 卵と砂糖を一緒に泡立てる。
  • ある程度泡立ったら、サラダ油を入れて混ぜる。
  • ボールに刻んだオレンジピールを投入し、卵・砂糖・サラダ油を混ぜたものを投入して混ぜる。
  • 上記のボールに、粉を2回に分けて入れて、混ぜる。切るような感じで手早く混ぜた方がおいしくできる。少々粉が残っていても気にしない。だって手作りだもの。
  • 型にタネを入れて、オーブンで30分焼く(万が一生焼けだった場合は、電子レンジで2,3分熱を通せば、大丈夫)。
  • ※オレンジピールに代わりに、ココア20g入れればココアブレッド、きな粉を入れればきな粉ブレッド、バナナのつぶしたのを入れればバナナブレッド、バナナを丸ごと入れれば丸ごとバナナブレッド。大概の甘いものに合いそうなものを入れれば、いろんなバリエーションが楽しめます。

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2009年7月13日 (月)

管理社会における妄想と現実の境目

 テリー・ギリアム監督の「バロン」を見た。オットがamazonで1200円と格安で手に入れたのだ。大人二人で見たら、映画館で見るよりDVDを手に入れた方が安い。便利な時代になったものだ。この映画は、ほら吹き男爵の冒険の実写版である。

 4千万ドルという天文学的な制作費をかけながらも、興行的には大失敗に終わった映画らしいのだけど、めちゃめちゃ面白かった。ファミリー向けという名目なので、子どもに見せられないような直接的な描写はないし、ハッピーエンドで終わる。でも、子どもに見せるのはおススメできない。

 劇中劇が多用されているので、どこまでが本当の話で、どこまでが嘘の話なのか分からない。1980年代の作品なので、CGは使われていなくて特撮が使われているのだけど、それも虚実混ぜ混ぜの雰囲気を醸し出していてよかった。CGだときれいすぎて、胡散臭さが出ないだろう。三日月を登るシーンとか素敵だった。

 キャスティングもよかった。バロン役の俳優さんの怪しい感じ(私は嘘なんかつかない、と言い切ってしまうところとか)、子役が子役らしくまっすぐで我がままでかわいいところ(この子役さん、大きくなったら左翼活動家になったそうな)、18歳のユマ(ウマ)・サーマンの美しさ。

 Wikipediaによると、「バロン」、「未来世紀ブラジル」、「バンデットQ」は3部作で、「ぶざまなほど統制された人間社会の狂気と、手段を選ばずそこから逃げ出したいという欲求」という共通テーマを持っている。高度に管理された社会は、傍目からみてびっくりするほど喜劇的であるにも関わらず、非常に不気味で悪夢的で、残虐な行為でさえも静かに淡々と行われて、冷酷さも感じさせない。

 「バンデットQ」は見ていないので、「未来世紀ブラジル」の感想もついでに。この映画の後味の悪さはすごいよ。あまりにも絶望的なエンディングであるため、アメリカではラストシーンをカットされて、ハッピーエンドとして公開されたらしい。あのバッドエンディングが、この映画の価値を高めているのに。圧倒的な絶望感だよ。でも、このエンディングにまつわるエピソードそのものが、統制された管理社会のぶざまさを表しているともいえる。そして、随所に流れるボサノヴァの名曲”Brazil"の能天気なメロディ。メロディが能天気であればあるほど、この映画の悪夢的な雰囲気が際立つ。

 

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2009年7月 4日 (土)

お金がなくても、大学に行く方法を書いてみる

 今じゃ言えない秘密じゃないけど言いたくて仕方がないよ(from "N.O.")。ということで、お金がなくても大学(博士課程じゃなくて学部)に行く方法について書いてみようと思う。私自身、家は貧乏だったのだけど、国立大学に行って何とか卒業した。貧乏だった理由はいろいろとあって書きたくないので、そこは勝手に察してください。

 貧困による教育格差が問題になっているらしい(子どもを大学まで行かせるには1,000万円かかるそうな)。家庭の経済状況の悪化により教育を受けたい人が受けられないという記事を、新聞でも見かけた。教育を受ける機会の格差をなくすのは重要なことだと思うのだけど、社会制度を変えるのは少し時間がかかる。というわけで、とりあえず、今おうちが貧乏で1,000万年も用意できなくても大学に行く方法について、私の体験を踏まえて書いてみる。

※そもそも大学は行くべきかなのか?というとそうでもないのかもしれない。それ自体は大変重要な話だけど、ひとまず置いておく。

【大学に入るまで】

 大学に入るまでは、塾や予備校にお金がかかるらしい。

 私は、塾も行かなかったし(予備校は地元になかった)、通信教育もしなかった。でも、代わりに、以下の勉強方法をした。

  • しつこいほど教科書を読み返した。世界史などの暗記科目は自分でノートにまとめなおした。
  • 一つの問題集を数回繰り返しやった。問題集は高校の先生が進めていたもので、駿台とかの予備校が出しているものだった。
  • 入試の模擬試験はできるだけたくさん受けた。解答をみて、自分が間違えた問題をしつこく繰り返しやった。
  • 赤本も繰り返しやった。赤本を買ったのは1冊だけで、高校においてあるバックナンバーも貸してもらい、過去10年分ぐらいの問題をおさえた。
  • 高校の先生をフル活用した。問題集や過去問の解答を読んでも理解できないところは、放課後に先生に聞きに行った。それと、うちの大学入試は英作文があったので、高校の仲良しの英語の先生をつかまえて、毎週英作文をマンツーマンでみてもらった。甘え上手の方が人間何かと得です。

 愚直に繰り返しやることが大事だと思う。大学受験では、独創性とか頭の良さを判断することはできない。判断できるのは、記憶力の良さ、あるルールに従った論理的な考え方をできるかどうかと いうこと(後者もやり方のパターンを覚えちゃえばよいので記憶力に還元できる)。今でも試験の内容はそれほど変わっていないようだ*。 でも、私立大学は特殊な問題が出るらしいので、上記のやり方は通用しないと思う(私立は受験料さえもったいなくて受けなかったので、分からない)。

 大学浪人は必ずしも悪いことではないと思うが、おうちが貧乏な人は現役で受かっておきたい。国公立大学は偏差値が高いところも多いが、よくよく探せば、それほど高くないところも多いし、倍率が1倍を切っているところもある。後期試験はセンターの成績と面接だけという大学もあるので、センター試験の成績が良ければ受かる確率も高い。

【大学に入ってからのお金】 

 大学に入ってからは、大学に行くだけで、それも実家から遠く離れた大学に行くというだけでお金がかかる。私も親元を離れて、下宿して大学に通ったので、そこそこお金が必要だった。

 てっとり早いのは、奨学金をもらうこと。私は2つの機関から奨学金をもらっていたので、実家からの仕送りはごくごくわずかだった。要注意なのは、多くの奨学金は、ただの教育ローンであること。だから、少なくとも無利子のものを探した方がよい。返還不要のものがもらえると本当にラッキーだが、そういうものは数が少ない上に応募者が多い。育英会の奨学金は要件さえ満たせばもらえる。民間の奨学金は必ずもらえるわけではないが、「○○県出身者に限る」、「○○学科に限る」といった限定がある場合も多く、意外と倍率が低いので、もらえることも多い。

 実家の世帯収入が少ないのであれば、大学の授業料を免除してもらえる。私は1,2回生の時だけ半額免除をしていただいたけれど、3回生からは要件が変わったのか、免除してもらえなかった。書類作成が少し面倒だったような気がするので、要件をよく読んで、免除してもらえそうな人だけ申請するとよいと思う。例えば、東大では、成績が優秀かつ世帯収入が一定額以下である場合は免除されるらしい。

 あとは、貧乏だと、ついついアルバイトに時間を費やしてしまう。私は、遊びたいのと物欲に負けて、かなりの時間をアルバイトに費やしてしまったが、あんまりおススメしない。自炊を徹底してやるとか(自炊は中途半端にやるとお金がかかる)、フリーマーケットか古着屋を活用するとか、図書館を活用するとか、いろいろとやり方はあると思う。学生は時間だけはあるんだから、お金を使わない生活を工夫して楽しんでやれる。アルバイトに時間を費やす代わりに、サークルを真面目にやるとか、興味のある授業をもっと聴講するとかすれば、お金をかけなくても楽しい時間を過ごせる。今となっては、教職に関する授業を受けておいたら面白かったかもしれないと思っている。もし、就職したい業界が決まっているのだったら、関係する会社でアルバイトをするのは良いことだと思う。どういう仕事内容なのか、忙しさがどれくらいなのかを見当づけることができるので、就職活動の時に役立つだろう。私は1年半だけ設計事務所でアルバイトをしていたのだけれど、CADの使い方を教えてもらえて楽しかった(でも、今ではさっぱり覚えていない)。

 ああ、そうだった。忘れていた。大学の寮は格安らしい。うちの大学は、男子寮はたくさんの人が入れるのだけれど、女子寮は数人しか入れなくて、倍率が高すぎて入れなかった(入試の倍以上の倍率だった)。男子寮は遊びに行ったことがあるが、かなり汚くて狭くて劣悪な環境だった。でも、女子寮はそこそこきれいだという噂を聞いたことがある。入れたらラッキーなので、入学手続きの際に、一緒に申し込むとよい。

 さて、そもそも大学に行くべきかどうかについては、私はまだ考えがまとまっていない。私自身の大学生活は、とても楽しく幸せな時間であったので、行きたい人は行った方がいいよ、とアドバイスしたい。社会学者のルーマン先生はこう言っている。「わたしが望んでおりますのは、この激動の時代にあって、みなさんが数々の世界的重大事件から少しばかり身を引き離すことができるようなプライベートな孤島を確保しうることです**」。大学というところは、さまざまな専門的知識を得ることもできるが、それ以上に、社会から少し身を話して、冷静に自分や世の中を見つめる時間を手に入れることができる場所だと思う。

【まとめ】

  • 大学入試は記憶力の良い人間が得するゲーム。根気さえあれば乗り切れるので、お金はかからない。
  • 大学に入ると、生活費と授業料がかかる。奨学金を複数もらうか、授業料免除を申請しよう。寮にも申しむとよい。
  • 大学に入ってお金がないからといってアルバイトに時間を突っ込むのはおバカ。せっかく大学に入ったのだから、楽しく時間を使おう。

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*研究者にしても企業で働くにしても、記憶力がいくら良くてもあまり意味はない。自分で独創的な課題を作ることがでいる人とかコミュニケーション能力が高い人、積極性がある人が必要とされている。時々、試験はものすごくよくできるのに、積極性や柔軟性がなくて、決まり切ったことしかできない学生がいる。それなのに、なぜ大学受験は記憶力を問う方法しかとれないのか? 多分、理由は3つある。一つは大学側の費用の問題。記憶力を問う試験の方が作りやすいし、採点も簡単だからだ。独創性やコミュニケーション能力、積極性を問うような問題は作るのも採点も難しいし、費用がかかる。二つは、記憶力を問う問題でも、そこそこ良い人材が入ってくるということ。独創性、コミュニケーション能力、積極性のある人の多くは、記憶力も高かったりするから。三つ目は、受験者側の理由。ある程度、受験問題がパターン化されていないと対策が取りにくいから。というわけで、多分、しばらくは試験問題の傾向は大きくは変わらないだろう。

**「二クラス・ルーマン講義録 システム理論入門」 新泉社、2007年

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