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2011年5月26日 (木)

蒟蒻になることにしました

(追記 2011 06 03) 改めて読むと、 下記の文章は、軽いマタニティブルーに囚われて書いたんだんだなって思います。 先日、新聞のコラムで「核の時代では、生き抜くという意思が大事」という文章を見つけて、ああ、確かにそうだなって思ったりしました。 もともと私たちの生活は、たくさんのリスクを孕んでいたのだと思います。今は、本当に恐ろしいリスクが顕在化していて、それらを完全に避けるというのは不可能なんだと思います。こういう状況の中では、なにが合理的なのか、なにが正しいのかはとてもわかりにくくなっているように思います。 まずは、子どもと共に生き抜くという意思を持つことが大事だと思います。その上で、私は、私の人生の命題であるところの「ちゃんとした大人」として行動したいと思います。私が思うところの大人っていうのは、できるだけ自分に嘘をつかないこと、自分のみっともなさを受け入れること、他者をきちんと受容すること、そういうことをちゃんとちゃんとやらないと、自分も他者も、誰も守れないだろうなと思います。

2470039eb3524d3faabc8631b9969553_7  ふと、へたりこんでそのままの勢いで畳に身を投げ出した。い草の香りなんかを感じながらしばらく天井を眺めていたら、自分は感情のない蒟蒻か何かなんじゃないかという気がしてきた。

 ああ、そうか。私はずっと猫になりたいと思い込んでいたが、蒟蒻だったんだなあ。ぬるり、ぺたんと、弾力性のある物質だったんだ。私は蒟蒻だから強固な壁にすらなれない。もう何も考えられない。

 そうやって蒟蒻になったつもりでしばらく呆けていたら、新生児のサイレンのような泣き声に正気に戻された。

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 姉が遊びに来て「新生児が家にいるって幸せだね」と言った。確かに、この状況で、もし私が幸せを感じることができないとしたら、私に問題があるのだろうと思う。

 幸せ、だと思う。間違いなく。新生児が母乳やミルクを飲んでいる姿を見ると愛おしいと思う。娘をはじめ、家族も新生児の誕生を喜んでいる。新生児はその場の空気を幸せにする力を持っていると感じる。

 でも、それでも、時折、胸が苦しくなるのはなぜなのか。

 多分、大きく分けて2つの不安に囚われているせいだ。

 1つは、私の仕事の復帰や家族にかけてしまう負担について。
 今、私は、自分が無力で、役立たずの人間に感じている。今の私には名前がない。「○○さんところの奥さん」「○○ちゃんのお母さん」という役割でしか、呼ばれることがない。でも、これはつまらない、とてもつまらない不安なんだ。私が無力であるのも役立たずなのも、私に名前がないのも当然のことで、もっとちゃんと外に目を向けたり、できる範囲で自分ができることを考えていけばよいのだ。ちゃんと自分の不安に向き合って、きちんと自分の世界を作り、社会にどう関わっていきたいのかを考えていかないといけない。

 がんばりなさい、私。家族と一緒にがんばりましょう、私。一つひとつ何かを積み上げて、一つひとつ不安を崩していくしかない。

 2つ目は、今後の日本ってどうなっていくのかなあということ。直近では、もんじゅは大丈夫なのかとか。この不安は、本当は1つ目の不安と繋がっているはずなのに、私の中で完全に断絶している。ああ、違うな。こちらの不安が現実のものになってしまったら、1つ目の不安なんか不安のうちにも入らない無意味なことになる。1つ目のありきたりの不安にわあわあ言っていた平和な日々に戻りたい。

 私は自分の国のことを信用してきたし、最悪の事態は起こり得ないと楽観視してきた。世の中は悪くなっていることもたくさんあるが、よくなっていることもある。大きな視点でみれば、良い方向に向いているだろうと。

 でも、福島原発の爆発や地震や津波の被害、そしてそれを取り巻く状況がよくなっているのかどうかがよくわからない。最初の衝撃に比べて、感覚はだんだん麻痺していっている。これらの状況は、どうにか解決するんだろうか。ひょっとしたら、もっと最悪の事態が待ち受けているんじゃないのか。本当に怖い。将来が怖い。私たち、私の子どもたちは、この日本でちゃんと生きていけるの?

 と。こうやって不安を吐露したところで仕方がない。特に2つ目の不安は、私にはどうしようもない。考えても仕方がない。でも、情報はなだれ込んでくる。

 だから、私は、不安に苛まされたら、蒟蒻になって思考を停止することにした。蒟蒻になると、力が抜けて、からだ全体が少し楽になる。愚かなふるまいだと思うけれど、現実逃避しないと、日々の生活を送れない。

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