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2013年2月 2日 (土)

知らない人との一度きりの会話

日経新聞の夕刊のコラムにこんな文章があった。

"知らない人との一度きりの会話というのは、不思議に心に残ることがある。 立場や利害関係、お互いの知り合い、そういうものに配慮しないでいい、二度と会わない人だからできる、そういう話もある。偶然の、誤解まじりの、共感と励ましが人を支える。そういうことは案外、すくなくないとわたしは思う。(中村千恵 比較文学者) "

私自身も、ふりかえればそういう偶然の出逢いに励まされたことがある。

カナダからの学会の帰りで、シカゴで乗り換えた飛行機で隣に座った方がたまたま日本人だった。

国際学会で初めての発表、しかも一人で海外旅行しなければならないというのに、心底疲れ果てていた。

私の英語が拙いということもあり、私の研究内容がうまく伝わらなくて少し落ち込んでもいた。

学会であった日本人研究者に、子どもを育てながら今から研究職を目指すのは厳しいのではないかなどと言われたのも、疲れ果てていた原因の一つだ。

隣の席に座った人は、私が読んでいた「アメリカ大都市の死と生」という本のタイトルをみて興味を持ったらしく、どういう目的で北米に来たのかと聞いて来た。

そこで、ひとしきり、本の内容と学会のこと、その頃佐用町江川で関わっていた住民参加型バスの話をした。

その方は、某大学の心理学の先生で、私の研究を面白がってくれた。

名刺をいただいたけれど、結局そのまま連絡をとっていない。

その人とお話したことで、私の研究は面白いし、世の中に必要とされているという思いが強くなった。

その思いは、私の博士後期課程の三年間を支えてくれたと思う。

私自身はつまらない人間かもしれないけれど、私がしていることは他人の興味を惹くことができる。

最近、忘れていたけど、大事な思い出。

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