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2013年6月

2013年6月16日 (日)

アスベストについて

 先日、アスベスト訴訟のドキュメンタリー映画をみた。

 アスベストはいつ爆発するかわからない時限爆弾のようなもの。国は危険性を知りながらも規制を遅らせた。工場につとめていた人だけでなく、作業着を洗濯していた家族や周辺の住民にも被害がある。(参照 Wikipedia アスベスト問題
 アスベスト訴訟は、いくつかの地域で行われいるが、解決にはいまだいたっていない。
 
 大阪・泉南の大阪アスベスト訴訟については下記のとおり。
石綿産業が集中していた大阪府南部・泉南地域の工場の元労働者や近隣住民及びその遺族らが提訴した大阪アスベスト訴訟(第1陣)において,第1審の大阪地方裁判所は,平成22年5月19日,原告の請求を一部認容し,国の規制権限の不行使の違法を認める判決を言い渡しました。
この判決に対して,原告・被告双方が控訴しましたが,控訴審の大阪高等裁判所は,平成23年8月25日,国に規制権限不行使の違法はなかったとして,1審判決を取り消し,原告の請求を全て棄却する判決を言い渡しました。
この判決に対し,原告は上告及び上告受理申立てをし,現在,最高裁判所に係属しています。(法務省:アスベスト訴訟より)
 大阪アスベスト訴訟(第一陣)の高裁の判決では、産業発展等を理由にして、国の規制権限不行使の違法を極めて限定的にしか認めないため、原告の請求は棄却されている。
 次の第二陣の訴訟は、第1審は原告側が勝訴したものの、国側に控訴され、現在高裁で争われている。
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 アスベストによる健康被害は本当に苛酷で、肺線維症、肺癌の他、稀な腫瘍である悪性中皮腫の原因になる。
 日本では様々な公害が起こり、その甚大な被害に今も苦しめられている。四大公害だけでなく、大気汚染によるぜんそく、放射能汚染、そして、アスベスト……。日本の国、都市は、誰かを踏みつけにして発展してしまった。そんなのは本当に間違っている。
 何の罪もなく、普通に生活していた方々が、アスベストにより生活を全面的に壊されてしまった。そして、たくさんの方々が命を落としている。被害者が一人でも生きているうちに、少しでも救済されてほしい。
 だから、一人でも多くの人がアスベスト問題についてもっと知るべきだと思う。そして、できれば、署名などに協力してほしい。
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“漫画「石の綿」出版 アスベスト問題を風化させない!大学生が竹宮惠子氏とコラボ”。神戸大と京都精華大のコラボとのことです。学生さんの漫画なので、漫画としてはわかりにくいところもありますけれど、アスベストの問題を知るにはよいかも。

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2013年6月15日 (土)

読書会レジュメ「社会的共通資本」

 研究室の学生さんとしている読書会2回目のレジュメ。

 今回は、宇沢弘文氏の「社会的共通資本」。
 (都市計画を専門とする学生が中心ということで、都市以外に関する部分はほんの少し紹介する程度にとどめている)
 社会的共通資本を読み返しながら同時並行で「貧困大国アメリカ」「貧困大国アメリカ2」を読んでいたのだが、社会的共通資本を市場原理に委ねてしまった結果が貧困大国アメリカなのだなあというふうに感じていた。
 「社会的共通資本」は、解決策の部分は少し薄いように思う。たとえば、都市の再生に対してジェイン・ジェイコブスをひいているのはちょっと古すぎる感じがする。
 ただ、この本は、何が大事なのか、課題が何なのかを明確にしている点に価値があるのだと思うし、解決策は実務者、工学者に任されているのだと思う。

●本書の概要

  ・著者 宇沢弘文
   東京大学名誉教授。
   専門は数理経済学。
   公害などの社会問題が酷くなると、現実から切り離され形骸化した数理経済理論から公共経済学などの現実経済の研究にすすんだ。
 ・岩波新書、2000年
序章 ゆたかな社会とは
○社会的共通資本とは何か?
 ・1つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような社会的装置。  
 ・社会的共通資本は3つの大きな範疇に分けることができる。
   ・自然環境:大気、森林、河川、水、土壌など
   ・社会的インフラストラクチャー:道路、交通機関、上下水道、電力・ガスなど
   ・制度資本:教育、医療、司法、金融制度など
第1章 社会的共通資本の考え方
 ・制度主義の考え方
       ・私たちが求めている経済制度は、一つの普遍的な統一された原理から論理的に演繹されたものではなく、それぞれの国ないしは地域のもつ倫理的、社会的、文化的、そして自然的な諸条件がお互いに交錯してつくりだされる。  
   ・制度主義の経済制度特徴づけるのは社会的共通資本と、それを管理する社会的組織のあり方。
 ・ケインズ経済学
     ・生存権の保障は、基本的には、所得の再配分を通じておこなうべき。
     ・資本主義的な市場経済制度のもとでは、完全雇用をもたらす自律的なメカニズムは存在せず、非自発的失業が発生するような状態が「一般的」。
   ・政府の経済政策は基本的には、有効需要の大きさに影響を与え、この有効需要を適切に操作することによって、完全雇用を実現することができる。
 ・反ケインズ経済学
   ・純粋な意味における市場経済制度の重要な前提条件である生産手段の私有制に焦点を当てて、文献的な資源配分のメカニズムのもつメリットを最大限に評価。
   ・政府の経済的機能に関してきわめて制約的な性格をもとめることになった。 → 規制緩和
 ・社会的共通資本の考え方は、より人間的な、より住みやすい社会をつくるためにはどうしたらよいか、という問題を経済学の原点に返って考えようという意図のもとに作り出された。
第2章 農業と農村
 ・農業の社会的共通資本としての役割
   ・農業は、生産過程で、自然と共存しながら人工的な改変を加えて生産活動を行うが、工業部門とは異なって、大規模な自然破壊をおこなうことなく自然に生存する生物との直接的なかかわりを通じて、生産がなされる。
   ・人々が農業に従事するとき、おおむね各人それぞれの主体的意志にもとづいて、生産計画をたて、実行に移すことができる。自らの人格的同一性を維持しながら自然の中で生きることが可能。
 ・自然環境の保全。
        例:水田耕作は、メタンの発生を最小限に止める。
 ・農業の再生のために
     ・外延的拡大(農作物を中間投入物とする加工、研究なども広く包含する)
     ・内包的深化(生産活動、生活様式が文化的、環境的観点から望ましいものにする)
第3章 都市を考える
○20世紀の都市  
  ・近代的都市計画の理念にもとづいてつくられてきた。  
  ・ハワード「田園都市」
  ・ル・コルビュジェ「輝ける都市」:都市を一つの芸術作品としてみて、合理的精神にもとづいて最大限に機能化された幾何学的、抽象的な美しさを持つ。
  ・近代的都市計画は、都市に住んで生活を営む生活者としての人間をほとんど無視して、都市計画者自身がもっている単元的、画一的で浅はかな人間像をそのまま投影したものとなってしまった。
○自動車の社会的費用
  ・本来、自動車の所有者ないし運転者が負担しなければならない費用を、歩行者あるいは住民に転嫁して自らほとんど負担しないまま自動車を利用しているようなとき、社会全体としてどれだけの被害をこうむっているのかということを何らかの方法で尺度化しようとするもの。
    ・道路を建設、維持し、交通安全のための設備、サービスを供給するための費用      ・自動車事故によって生じる、生命、健康の損失
    ・自動車通行によってひきおこされる公害、環境破壊に伴う社会的費用
    ・自然環境の破壊、文化的、社会的環境の破壊
    ・自動車の生産、利益の過程で使われるエネルギー資源の希少化、地球的環境の均衡破壊。
     ・自動車に対する需要が再現なく増減することを防ぐには 自動車の価格に社会的費用に見合う額を賦課金の形で上乗せ 道路の利用に伴う社会費用を道路の使用料として賦課すること
○都市再生の条件(ジェイン・ジェイコブスの主張より)
  1. 街路の幅はできるだけせまく、まがっていて、一ブロックの長さは短いほうが望ましい。   
   2. 再開発にさいして古い建物ができるだけ多く残るように配慮。   
   3. 都市の多様性。各地区は2つ以上の機能を。   
    4. 都市の各地区は人口密度が十分高く。
第4章 学校教育を考える
 ・学校教育制度の3つの機能:社会的統合、平等、人格的発達
 ・教育現場の自主性、主体性の尊重
第5章 社会的共通資本としての医療
 ・国民経済全体にとって利用しうる希少資源の量は限られたものであって、各市民の必要とする保険・医療サービスを必要に応じて無制限に供給することはできない。
 ・なんらかの意味で、社会的な基準にしたがって希少資源の配分がおこなわれる。
 ・社会的基準は、官僚的に管理されるものであてはならないし、市場的基準によって配分されるものであってはならない。
 ・医療を経済に合わせるのではなく「経済を医療に合わせる」
第6章 社会的共通資本としての金融制度  
・護送船団方式とよばれる大銀行のための金融行政は、日本の記入機関における金融的節度の欠如、社会的倫理観の喪失、職業的能力の低下をもたらすことになった。
第7章 地球環境
 ・伝統的な自然環境と密接な関わりを持つ知識は、経済発展の名のもとに否定され、抑圧されていった。
 ・持続可能な経済発展
      自然環境の状態が年々一定水準に保たれ、自然資源の利用は一定のパターンのもとにおこなわれ、しかも、消費、生活のパターンが動学的な観点からみて最適、かつ世代間を通じて公平な経路を形成している。

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2013年6月 9日 (日)

マトリョーシカになる夢

少し前に、マトリョーシカになる夢をみた。
お腹のあたりがぱかっと割れて、小さい自分がどんどん出てくる。
ああ、こういう仕組みだったのかとひとりごちた。
お腹の中から出て来る自分は、私の子どもではない。
お腹の中から出てくる小さな自分も、外側の自分も、全部私なのだった。
私がどんどん増えていく。私が無限に増えていく。
私私私私私私私私私私私私……………。
世界が私で埋まっていく。
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起きてからも体がぱかっと割れるような気がして、おなかのあたりがむず痒かった。

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2013年6月 7日 (金)

今さらながら女子力の話

 大阪ボランティア協会が発行している市民活動総合情報誌Voloの特集「もっと、女子力」を読んで、初めて女子力について納得した。

 市民活動をしている人が挙げている女子力はこんなの。
  • 遠くから「わーっ」と手を振って挨拶する
  • (非常時に)とりあえずご飯を炊いておにぎりを作る
  • 「わからないよ」と不安を吐露し、分かち合える
  • 警戒心を解かせて、相手の懐に入っていくのが上手い
  • 暮らしの視点、とりあえず目の前のことからスタートする
  • 自分の立場や実績にこだわることなく、全体がうまくいけばいいという発想"
 女子力というのは、"みんなにあればいいし本質的にみんなが持っているが、現時点で女性の方が発揮しやすいし、発揮できている部分"。
 化粧など他人にどのように自分の外見を見せたいかだけだと、面倒くさいなあと思ってしまうし、そんなものはどうでもいいなあと思っていたのだけれど、上記のような女子力はほしい。
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 女性はその社会的な立場から、組織や立場といったものから比較的自由という特質をもっている人が多い。
 それは、不利益になることも多いけれど、すごく自由で動きやすいというメリットも多い。
 女子力って、老人力と同じように、自分たちの特質を肯定的にとらえようという言葉として使っていくのがいいように思う。
 そんなわけで、男性がおしつけてくる(あるいは男性視線を意識している押し付けられる)女子力なんかはお断りだったりする。
(1年以上前に書いて下書きにいれたままだった。今さら「女子力?」という感じではあるけれど、自分の思ったことは外に積極的に出していこうと思う今日この頃です)

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2013年6月 3日 (月)

読書会レジュメ「銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎 」

研究室の学生さんと読書会を始めた。

都市計画を専門とする者としての「広い教養を身につけたい」というのが目的。

そんなわけで、一冊を詳細に読んでいくのではなく、毎回、各人が自分のお気に入りの本の概要を紹介するという感じ。

レジュメはきっとどこかに消えてしまうだろうから、自分の記録として、ブログにコピペすることにした。
今回、私が取り上げたのは、「銃・病原菌・鉄」。数年前にベストセラーになった本だ。人文学系の本ながらも、ミステリーを読み解くような面白さに満ちている。環境が人類の文化に大きな影響を与えるという意味で、都市計画のバックグラウンドの教養として適してると思ったのだ。
と。前置きはここまで。レジュメは、ここから。
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本のタイトル「銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎 」

●本書の概要
  • 著者:ジャレド・ダイアモンド(カリフォルニア大医学部教授、生理学から進化物理学、生物地理学まで研究対象が広い)
  • 倉骨彰 (翻訳)
  • 草思社
  • 2000年
●この本が書かれたきっかけ
あるニューギニア人との対話から起こった
「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」  
という疑問に対する一つの答えとして書かれた。
●銃・病原菌・鉄:ヨーロッパ人が他の大陸を征服できた直接の要因
  • スペイン人とインカ帝国の衝突
 スペイン人:ピサロ。たった60人の騎兵と106人の歩兵
 インカ帝国:皇帝アタワルパ。八万の兵士。
 → スペイン人は、アタワルパは捕虜にし殺害、八万の兵士をほとんど殺害。
 ヨーロッパ人が新世界を植民地化できた要因
  • 銃器・鉄製の武器
  • 騎馬に基づく軍事技術
  • ユーラシアの風土病・伝染病に対する免疫 ヨーロッパから移住者たちが持ち込んだ疫病は、彼らが移住地域を拡大するより速い速度で南北アメリカの先住民部族のあいだに広まり、人口の95%を葬り去った.
  • ヨーロッパの航海技術
  • ヨーロッパ国家の集権的な政治機構:船の建造資金等を集めたり、船の設備をととのえることを可能にした。インカ帝国の官僚組織は、神聖視されていた君主の死後、崩壊してしまった。
  • 文字をもっていたこと:スペイン側は人間の行動や歴史について膨大な知識を継承していたが、 アタワルパ側は読み書きができず、海外からの侵略者についての経験がなかった。  
●人類の長い歴史が大陸ごとに異なる理由
 それぞれの大陸に居住した人びとが生まれつき異なっていたからではなく、それぞれの大陸ごとに環境が異なっていたから。
要因1 栽培化や家畜の候補となりうる動植物の分布状況が大陸によって異なっていた
・食料生産の実践が余剰作物の蓄積を可能にしたからであり、余剰作物の蓄積が非生産者階級の専門職を養うゆとりを生みだしたからであり、人口の稠密な大規模集団の形成を可能にした。
・人口の稠密な大規模集団の形成が、技術面や政治面での有利につながる前に、軍事面での有利につながった。
・発達段階で初期の首長社会を超えるレベルに達していた社会は食料生産のうえに成り立ち、経済的に複雑なシステムを擁して、階級的に文化史、政治的に集権化されていた。
要因2 伝播や拡散の速度が大陸ごとに異なっていた
・ユーラシア大陸は、東西方向に伸びる陸地であり、生態環境や地形上の障壁が他の大陸よりも比較的少なかった。
・作物や家畜の育成は気候によって大きく影響される。作物や家畜の育成は緯度のちがいによって大きく影響されるために、東西方向に伸びる大陸では作物や家畜がもっとも伝播しやすかった。
・アフリカ大陸、南北アメリカで大陸:陸地が南北方向に緯度をまたいで広がっていることと、地形や生態環境上の障壁が大きかったことのために、伝播に時間がかかった。
要因3 異なる大陸間での伝播のしやすさ
・過去6000年間では、ユーラシア大陸からサハラ近縁地域への伝播がもっとも容易だった。そのため、アフリカ大陸の家畜のほとんどはユーラシア大陸から伝わったものである。 ・南北アメリカ大陸は、低緯度地帯は大きな海洋によってユーラシア大陸から隔てられており、高緯度地帯は狩猟採集にしか適さないという問題を抱えていた。そのため、ユーラシア大陸から南北アメリカ大陸に伝わり、南北アメリカ大陸の社会の発達に寄与したものは何もなかった。  
・オーストラリア大陸のアボリジニは、インドネシア海域によってユーラシア大陸から隔てられていた。
要因4 それぞれの大陸の大きさや総人口のちがい
・面積の大きな大陸や人口の多い大陸では、何かを発明する人間の数が相対的に多く、競合する社会の数も相対的に多い。
・利用可能な技術も相対的に多く、技術の受け容れをうながす社会的圧力もそれだけ高い。
・新しい技術を取り入れなければ競合する社会に負けてしまうからである。
●なぜ中国ではなくヨーロッパが主導権を握ったのか
  • 肥沃三日月地帯や中国は、後発組のヨーロッパの数千年先をいっていた。
  • 肥沃三日月地帯がリードを失ってしまった理由:この地域の人々が初めの一歩を早く踏み出せたのは、適性のある野生種に恵まれていたからという点だけ。 環境的に脆弱。植物が再生しにくい土地。
  • 中国:中世の中国は技術の分野で世界をリードしていた。
    →政治的な統一が早かったため、様々な技術を禁じ、後退させてしまった。
      権力闘争の影響。
            船団の派遣の中止、15世紀末以降、あらゆる機会や技術から手をひいた。
  • 対照的に、ヨーロッパは政治的に統一されていなかった。
●本書の課題
  • 定量的な分析が不十分。
  • 日本に関する記述は、不適切だと思われる。このように、私にはわからないが、他の記述でも不適切な考察が多数ある可能性がある。 (例:日本は、日本語の話し言葉を表すには問題がある中国発祥の文字の使用をいまだにやめようとしない)
  • 日本語版の単行本の問題点として、参考文献リストがない。

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2013年6月 2日 (日)

2013年5月に読んだ本のまとめ

2013年5月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2366ページ
ナイス数:12ナイス

文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
読了日:5月28日 著者:ジャレド・ダイアモンド
パタン・ランゲージ―環境設計の手引パタン・ランゲージ―環境設計の手引感想
この本の核心となる考え方は、人々は自宅や街路やコミュニティを水かあらの手で設計すべきというものである。世界の美しい場所のほとんどが建築家以外によってつくり出されたという事実に基づいている。「パタンは言語であり、パタンランゲージは文法であり、そして建物は文章である。つまりパタンという環境成分に関する人間の記憶の集積をパタン・ランゲージという文法を使って組み合わせていけば、無数の新しい環境を設計できるというわけだ。」
読了日:5月28日 著者:クリストファー・アレグザンダー
図説・都市の世界史 4 近代図説・都市の世界史 4 近代感想
産業革命の環境、、後期自由都市、近代都市、今日の状況まで。もともと建築学科の学生の教科書として書かれたもの。図や写真が多いため、授業の参考図書としてよさそう。
読了日:5月28日 著者:レオナルド・ベネーヴォロ
クルマと道路の経済学クルマと道路の経済学
読了日:5月22日 著者:
神戸在住(9) (アフタヌーンKC)神戸在住(9) (アフタヌーンKC)感想
洋子ちゃんの帰国。雑人工場の演劇のお手伝い。伊達先生の桂ちゃんや鈴木さんへの視線がいいなあ、よくみてはるなあと思った。
読了日:5月22日 著者:木村 紺
スローなカフェのつくりかた―暮らしをかえる、世界がかわるスローなカフェのつくりかた―暮らしをかえる、世界がかわる感想
後半のスローカフェリストはなかなかよい。これを参考に、出張した時にあちこち行ってみるといいかも。
読了日:5月22日 著者:
驚きの介護民俗学 (シリーズ ケアをひらく)驚きの介護民俗学 (シリーズ ケアをひらく)感想
面白かった。著者は東北大准教授を経て養護老人ホームに介護職員として勤務している。どの高齢者の話も興味深く、私もこういうふうに話を聞きたいと思った。介護現場の聞き書きは、介護する側とされる側との関係を一時的に非対称性から解放し逆転させる。|著者が大学を辞したきっかけが将来に対する不安というのは衝撃だった。結婚したからといって将来が安心なわけでもない。こんなに優秀な方でも、世間様の常識にがんじがらめになっていたというのが、何とも辛い。多様な女性の生き方を知ることで、著者が励まされたというのには安心した。
読了日:5月22日 著者:六車 由実
よみがえれ青い空―川崎公害裁判からまちづくりへよみがえれ青い空―川崎公害裁判からまちづくりへ感想
川崎の大気汚染公害裁判に携わった弁護士による著書。公害被害者が、自らの被害救済だけにとどまらず、まちづくりに対して提言を行い、行政にはたらきかけを続けている。公害は必要悪なのでは決してなく、住民の住みやすさを向上させながら都市を成長させなければならないという願いが込められている。
読了日:5月22日 著者:篠原 義仁

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