オットとは、何度か恋に落ちているんだと思う
綿矢りさの小説に、クリスマスはその一年間の通信簿のようと書いてあって納得した。
正月と同じくらい巨大な行事に成長したクリスマスは、その年の通信簿を兼ねている。今年を充実して過ごし、人とよい関係を築けた人間はわいわいと親しい人たちと楽しいクリスマスが送れるし、ひとりでも充実した日々を送れた人ならクリスマスにひとりでも別に堕ち込まずに淡々と過ごせるだろう。
結婚記念日も、結婚生活の通信簿なのかもね。
私たちの11回目の結婚記念日は、一家離散状態であった。
私は出張、オットは休日出勤、上の子は春休みで義実家に滞在、下の子は私の姉の家に預けられている。
でも、こんなにバラバラでも大丈夫。何も不安じゃない。少し落ち着いたら、お祝いしましょう。
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オットとは、何度か恋に落ちているんだと思う。
普段の夫に対する感情は恋愛とは少し異なっているように思う。愛情だか友情だかわからない。激情と違うのはたしか。
でも、それでも、ふっと「ああ、私、結構この人好きだな」と思うタイミングがある。
恋に落ちるというのは、事故のようなものなので、自分でコントロールできるものではない。
普段は友達。でも、時々恋人。
結婚11年目の夫婦としては、幸せなあり方なんじゃないかと思う。
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この1年間は、本当にしんどかった。
私が病気になった。オットは体を壊すほど仕事が忙しかった。そのせいで、家族の関係がギシギシと軋んだ。
何かがあったようで事件らしい事件は何もなかったが、穏やかな一年ではなかった。
この1年はどうにか過ぎ去った。でも、またそのうち何かが起こって家族の関係はギシギシと軋むこともあるように思う。
そういう軋みがあったとしても、私たちは何とかやっていけると思う。どうにかこうにかこの家族でやっていくという枠組みだけを裏切らなければきっと大丈夫。
がんばるけれど無理しない。お互いのことを思いやるけれど、心配しすぎない。
きっと大丈夫。きっと大丈夫。そう口の中でつぶやきながら、11年目の結婚記念日の夜は、ホテルで一人でこのブログを書いた。