(注)私の中で大事な話だったりはしますが、暗い話で、人によっては不愉快になるかもしれません。申し訳ありません。子どもの頃に遭遇した痴漢みたいなものに関する話です。
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先日、不意に、子どもの頃に痴漢まがいのことをされたことがあるのを思い出して、眠れなくなった。子どもの頃、よく行っていたあの場所にどうしていかなくなったのかなあと、記憶を手繰り寄せたら出てきてしまった。かなり気持ち悪い経験だったので、忘れたいと強く願って、本当に蓋をするように忘れていた。記憶というものはすっかり忘れたつもりでも、不意に顔を出して、皮膚を抉ろうとするので、困る。子どもの頃に感じた気持ち悪さと罪悪感、心細さなんかを思い出して、布団の中でひとしきりしくしくと泣いた(ええ大人がすることではないと思うが、泣くというのはストレスの発散方法として一番簡単だったりするので)。
私は、それほどかわいらしい子どもだったわけではない。おかっぱ頭のどこにでもいるような垢抜けない子どもだった。でも、ブサイクでも、肌の露出なんかしてなくても、ダサい格好してても、痴漢にはあう。むしろ、地味で、大人しそうで、誰にも言わなさそうな子どもを狙うんだろう。自分の保身のために*。
子どもの私にとって、自分が誰かの性的な衝動をかきたてる可能性があるというのに気づくことは、かなり気持ちの悪いことだった。そのせいで、自分の存在、行動に罪悪感があった。自分がもっとしっかりしていればそういうことに遭わなかったじゃないか、自分の行動に落ち度があったのじゃないかと思った。そして、自分はひどく傷つけられたと感じた。
大人に言うと怒られるような気がした。誰にも相談できず、といって、自分一人で考え続けるのも嫌で、忘れよう忘れたいと願って、そのまま忘れていた。その後、男性不信に陥るでもなく、結婚して、子どももいるので、大きな傷跡は何も残っていない**。でも、やっぱり当時相談できる大人がいて、「君は悪くない」というのを言ってもらえたらどれだけほっとしたことかと思う。
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私の何が傷ついたのか。侮蔑的な言葉を投げつけられたわけでもなく、身体的に残るような何かをされたというわけでもない。多分、私の自尊心がひどく傷つけられたのだと思う。大人に性的な視線で向けられるということは、私が自分の意志を持たないモノとして見られているというように感じたのだと思う。
んー。他の人のことはよくわからないが、性的な視線というのは、相互の承認がない限り、恐ろしいことのように思う。でも、まあ、大人になれば相互の承認がなくても、そういうことがありうるというのはわかる。それに、他人の性癖にあれこれいうべきではないと思っている。ロリータ・コンプレックスの人も頭の中では好きにしたらいいとは思う。非実在未成年に対してなら、私は何をしてもいいと思っている(ただ、私は眼にしたくないし、子どもにも触れさせたくないので、ゾーニングはしてほしい)。受け入れてもらいにくい性癖だと思うが、そういうのがあるのは否定できへん***。でも、お願いだから、決して実際の行動にうつしてくれるなと思う。子どもと大人では、持っている情報に差があるし、体格差もある。少なくとも私はかなり愚かな子どもだったし、何もわかっていなかった。愚かな子どもが悪いのではなくて、悪いのは子どもに被害を与える大人だ。
もし、自分の子どもがそういう被害にあって誰にも相談できずにいたらと思うと、いたたまれない気持ちになる。自分の子どもでなくとも、子どもが大人の性的な衝動の被害に遭うのは許さない。
周りの大人は、子どもを悪意から完全に守ることはできないのかもしれない。でも、「子どもは罪悪感を覚える必要はない」と教えること、悪意を持った存在から身を守る術を教えることは重要なのではないかと思う。えっと。ここから先は、もっと具体的に考えないといけない。もうちょっと知識を付けて、また、後日書こうと思う。
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*大学生の頃、2個上のM先輩と痴漢に関して言い合いになったことがある。「肌を露出するような服を着ておいて、痴漢にあったとか騒ぐのはおかしい。被害にあう側にも責任があるだろう」と先輩が言い放ったので、「被害者に落ち度があるわけないでしょ!」と怒った(でも、話を理解してもらえたかは不明だけども。つーか、私が顔を真っ赤にして怒るのが面白くて、先輩はひどいことをわざと言っていたな。ひどい><)。
何を着てようが、責任を被害者に置くのは間違っている。それとも、衝動を抑えられないほど、行動と感情が直結している人ばかりなのか? そんなわけなかろう。文化的な社会生活を送る上で、行動と感情を分けることは最低限度の必要なことだ。
** 傷跡がないのであれば問題ないという考え方もあるかもしれない。無菌状態で育つことなんかできやしないのだから、そういう大人の悪意に触れるのは仕方ないと。こんな小さいことで、ギャーギャー騒ぐなと。
でも、もしかしたら、私が受けた被害は小さくてすんだものの、運が悪かったらもっと大きな被害になったかもしれない。私がきちんとここで考えることが、自分の子どもや小さき人達を守ることに少しでも繋がるのなら、ギャーギャーと大げさに騒いでもよいのではないかと思った(といっても、blogに書くだけだが)。
*** ロリータとか、わからないこともない。全盛期の加護ちゃん、辻ちゃんとかも、かわいかったしなぁ。でも、想像の中で、かわいいあの子と恋人同士になるのと、危害を加えるのとでは、深くて広い溝があろうて。